【エッセイ01】本業

January 8, 2017

 

 

 

「礒畑さんって、何者ですか?」

 

 

飲食店で1人食事をしていた時、お店の方にそう聞かれたことがある。

そのお店のオーナーさんは発酵、醸造、日本酒などにとても詳しく、

私がキモい程に日本酒の造りだとか発酵モノについて質問しまくったからかもしれない。

あの時は本当に楽しかった。

 

私はお酒にあまり強くない。

この日、日本酒をそれなりに飲んだにも関わらず、あまり酔わなかったほどだ。

楽しい!というアドレナリンがお酒に勝ったのだ!

なんてスカしたことを言ってみたが、本当は和らぎ水をだいぶがぶ飲みしたからだと思う。

 

 

さて、私が何者かですよね。

私は何者ですか?私もわかりません。

 

 

実際私自身、自分が何者なのかで時々困ることがある。

困るというより、迷う、かもしれない。

 

それは、職業欄へのチェックだ。

何かの申込書などに「自営業・会社員・パート、アルバイト・主婦・無職…」などと書かれている。

会社勤めの時は、迷うことなく「会社員」にチェックを入れていた。さて、今はどうか。

 

主婦です。バイトしてます。料理教室もしているので自営業でもあります。

…うぉぉ。ど、どれだ!

いっそ、全部にチェックしちゃおうか。

 

「自分でも事業やっているのですが、なかなか稼ぎがなくて。なのでバイトしてます。

家に帰れば主婦です。主人に頼ってばかりではなく、自分でも稼ぎたいので。うふふ。」

 

わぁぁ!きっといる、こういう人!(妄想って楽しい!)

 

でもそうやって全部にチェックして申し込んだ末に、

先方から電話がかかってきて「どれか1つにしてください。どれですか?」なんて言われたら…?

ちょっと電波なくなった風を装って、電話を切ってしまうかもしれない。

私はチキンハートの持ち主だ。

そんなことになる前に、いい機会なので自分の本業について考えてみよう。

 

 

そもそも職業ってなんだ。ググってみよう。

あ、でもせっかくの言葉調べだから広辞苑にしてみようか。

こうじえん、とタイプして変換したら糀園って出てきたぞ。

パソコンまでも発酵仕様になってきたか。ちょっと嬉しい。…じゃなくて、広辞苑広辞苑。

 

広辞苑によると「日常従事する業務。生計を立てるための仕事。」だそうだ。

日常従事する業務なら、主婦か。

生計を立てるための仕事となると、バイトか。でも職業と言えるほどは働いていない気がする。

料理教室は生計を立てるため、とはちょっと違う気がする。

 

うーん、これで考えていると難しい。視点を変えてみよう。

生活していくうえで、何を一番大切にしているのか。

それは即答できる。「家庭」だ。

生活の基盤であるし、大切な存在がいる家庭が一番大切なのだ。

実際に大切にできているかは別問題だが…。

 

 

と言うのも、今年のお正月私の実家に帰った時、

全国の蔵に行く私のことを見た親が

「綾は東奔西走してるね。ちゃんとようちゃん(私の夫の呼び名)のことも構ってあげられているの?」

というようなことを言った時、夫は、はいともいいえとも言わず笑っていたのだ。

それは見事な苦笑いだった。

私なりに家庭を大切にしていたつもりではあったが、やはり十分ではなかったようだ。

主婦としての行いが足りないことも自覚している。

家族の時間が大切と言いつつ、夫が休みの土日に姿をくらまし、木桶に目を輝かせている時もあった。

 

 

それではいかんなぁと、新年早々しみじみ思ったのである。

主婦業についての語りは長くなるのでまた今度にするとして、

やはり主婦という仕事をしっかりとやろうと思う。何があろうと、基盤は家庭なのだ。

と言いつつ、今月下旬には木桶造りの為1週間ほど家をあける。

前々から決まっていたことだし。と言い訳してみる。

 

 

冒頭の飲食店では「発酵食の料理教室やってます。」と名刺を渡したが、

私の本業は(発酵好きのポンコツ)主婦なのである。

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